2024年度共通テスト英語リーディング(後半)
まず、リーディングを解いていくうえで必要なことが 3 つある。
1つに、語彙の定着である。共通テストを受験しようと考えている方々にとっては釈迦に説法かもしれないが、共通テストの問題は長文読解のみで構成されている。旧センター試験では、文法やアクセントといった総合的な英語力を養うことが求められていた。しかし、共通テストは長文読解問題のみで構成されているため、これまでの試験形式を超えた語彙力を求められる。より速く正確に長文を処理する必要があり、これを達成するには語彙の強化が最短経路であることは明白だろう。
2つに、読解力の向上である。先にも述べた通り、共通テストは長文のみで構成されている。語彙の向上によって文章を読むことは段々とできるようになると思うが、限られた試験時間の中ですべての文章に目を通すことは難しい。そのため、文章の中から論点(トピックセンテンス)を探し、全ての文章に目を通さずとも必要な事項のみを拾い上げて解答を導く必要がある。この読解力の向上は単純に長文読解演習をこなせばいいというわけではなく、現代文の読解問題を解くことも有効だろう。
3つに、時間感覚を身に着けることだ。リーディングの試験時間は 80 分であるが、この限られた時間を最大限活用することが重要である。今後、共通テスト演習を行う際には大問1つあたりに要した時間を把握していくことを勧めておく。
第1問A
この問題は単純に、チラシに書いてある内容をそのまま読み取ればよい。冒頭説明の2,3 文には、「TELS の生徒は入場料を払う必要はない。学生ロビー受付で学生証を提示すること」と記述されているので、答えは4である。
問1と同様に、チラシの内容を読み取る問題である。「様々な言語と荒らしいコミュニケーション方法を体験しよう」の第 2 文に「これらの文化に由来する人々が意志を伝えるために、どのような表情や手を使うのかを学んでみる」とあるので、答えは①である。
第1問B
教師に与えられた情報を読み取る問題である。「芸術ツアー」の第2・3文からアートギャラリーとコンサートホテルが道路を挟んで併設されていることがわかるため、答えは4である。
この問題では、3つのツアーで共通してできることについて説明された選択肢を選べばよい。それぞれのツアーの説明を読むと,いずれも屋内と屋外を見学する予定が組み込まれていることが分かる。例えば,歴史ツアーでは邸宅と庭園,芸術ツアーではアートギャラリーと彫刻公園,スポーツツアーでは野外施設と展示ホールに行くことになっている。よって,正解は4である。
各ツアーの説明文を読めば、解答を導くことができる。よって、答えは4である。
第2問A
チラシの冒頭説明第6文に、「スキルのレベルに関係なく大歓迎」とあるので、答えは4である。
具体的な活動が並べられた箇条書きの部分では、コンピューターとの対戦についてのみ書かれていない。よって、答えは②である。
メンバーからのコメントの2つ目に「いくつかのゲームに共通点があることを学ぶのはよいことである」と書かれているので、答えは1である。
この問題では、チラシ内の招待文とメンバーのコメントで言及されている内容のどちらも読み取れている必要がある。このような内容一致を問う問題は必ず出題されるので、それぞれの意見や主張をまとめておくことが有効な対策である。まずは日本語訳を読んで内容を整理する練習をしてみるといいだろう。招待文とメンバーからのコメントどちらにも、集中力を高める効果があることを述べていることがわかるだろう。したがって、答えは④となる。
チラシでは、部員による戦略ゲームについての説明やインターネットでの知識の共有、アドバイスをしてくれる友人などについて紹介されている。このことから、このクラブは戦略ゲームの技術を高めることに力を入れていることがわかる。よって、答えは②である。
第2問B
プレミアムプランの説明で、「スマートフォンアプリと電話サービスを通じて24時間の医療サポートがある」と書かれているので、答えは1となる。
エコノミープランの説明を読めば、自然と答えが導き出せる。答えは1である。
どのプランの説明を見ても、月額での支払い料金が記述されている。また、第2段落では筆者がオンラインで申し込んだということと、どのような支払い方法も可能であることが書かれている。よって、正しいのは A と D であり、答えは1となる。
スタンダードプランについての説明が書かれた第 4 段落の最終文に、「しかし 6 か月の保険料を前払いしたので、オプションの 15%割引を受けられたのがよかった」とあるので、答えは3である。
第1 段落で、筆者は旅行の準備に関して詳細に述べている。このことから、筆者は旅行の準備を重要視していることがわかるので、答えは2である。
第3問A
(選択肢の写真は、実際の問題を参照すること)
筆者は最終文で、問題となっている写真が男性の温かさと優しさを思い出させる、と述べている。最後から6つ目の分からもわかるように、男性はペットのサルを連れていて、出会ったのはフォトラリーの最中であった。よって、答えは2である。
スーザンは金メダルをもらっていない。スーザンが得た何らかの栄誉を「金メダル」に例えているのである。また、スーザンは 19 のチェックポイントに到達してはいない。フォトラリーにおいては、ルールの 1 つ目にある通りカメラが支給されているため、撮影に携帯電話が用いられたということを前提とするコメントは不適切である。よって、スーザンが最善を尽くしたことを褒め称え、また日本に来てフォトラリーに参加するよう促すコメントである、②が答えとして適切であるといえる。事実関係を正確に把握することが内容理解の第一歩である。
第3問B
時系列順に並び替えてみると、ユズたちはまず島の地理について知り熱帯雨林を見たのだから、1 番目は①である(第 2 段落)。次に、サンゴ礁をライブカメラで観察し、生態系の 変化に衝撃を受けたのだから、2 番目は②である(第 3 段落)。夜はテントを張り、そこに即 席プラネタリウムを作り天文学について学んだとあるので、3 番目と 4 番目はそれぞれ3と4である(第 4 段落 1・2 文)。このことから、答えは1→2→3→4である。
問 1 を解くために文章をある程度読んだのであれば、あまり悩まずとも答えが導き出せるだろう。答えは④である。
夜空を見上げたユズは、リーチ先生が教えてくれたことが本当だったと実感しているが、その内容は「人間はあまりに多くの人口の光を作り出したために、私たちの都市では夜空にほとんど何も見ることができない」ことであると、第 4段落最終文に書かれている。このことから、答えは2である。
まとめ
ここまでいかがだっただろうか。 共通テストで高得点を獲得するためには、第 1 問~第 3 問をいかに速く正確に解けるの かが重要である。ここまでを 25 分ほどで解き切ることができるかどうかで、後半の本格的 な長文に余裕を残すことができるのだ。 冒頭に述べた通り、語彙の定着と読解力の向上が最優先である。しかし、国公立をはじめ としたトップレベルの大学の合格を目指す受験生は、次の段階である“時間との闘い”を始め てもいいだろう。
受験を志す全ての人へ。
One step at a time.